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好きなものものを紹介していく

最後の瞬間

 

ものの最後の瞬間が好きだ。

 

 

どういうことかというと、例えばジャズピアノの曲。別段ジャズに造詣が深いわけではないので詳しいことはわからないけれど、ジャズピアノの曲って最後に美しいエンディングが入ることが多い。

一番好きなのはビル・エヴァンス・トリオのSeascape。

 

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曲が終わる最後の瞬間の、優しいきらめきのような音が好き。

というか、ジャズピアノの曲はこの最後の一瞬のためだけに聴いている気がする。

 

 

小説もそう。最後の一節が好きな小説はどうしても何回も読み直してしまう。最後の一節で読後感がかなり左右される。なにか予感めいたものであるとか、何気ない風景の描写で終わるとか。

最近読んだ中で好きなのは角田光代さんの短編集「さがしもの」のうちのある短編。その短編とは、主人公が異国の南の島でマラリアにかかり病床で途方に暮れる中バンガローで見つけた日本語の文庫本を読み、いったいこれは誰が持ち込んだ本であろうか、と想像を広げる話。ラストはこう締められている。

 

『私はときおり、仕事の合間や、酒を飲んだ帰り道などで、バンガローから見た景色を思い出すことがある。海が色を変え、ドアから犬がひょいと顔を出す。文庫本一冊でつながり得た見知らぬ男は、ときおり窓から、顔を出し私に手を振り、次の瞬間には消えているのだった。男が消えたあとにはただ、緑に光る午後の海だけが、窓の外に広がっている。』

 

 

うーん、南の島へ行きたくなってしまった。

 

 

 

結局何が言いたいかって、最後の瞬間は余韻が残されてこそ美しく終われると思う。けれど、人との別れって大体そうじゃない。

 

半端な仲の友達へのラインの返事が遅れてからなんとなく気まずくなって連絡をしなくなってしまうとか、元彼と久しぶりに会って、そこそこ楽しかったけれどもう昔みたいに魅力的な人には思えなくなっていてどことなく悲しい気持ちになってしまってそれ以降疎遠になるだとか、そんなのばかり。突然相手からの連絡が途絶えてしまい戸惑うものの事情を聞くことも憚られ、そのまま月日が流れてしまったり。

綺麗に別れられた人なんて今まで一体何人いただろう。

人との別れだけはいつも唐突だ。

 

 

 

 

書いていて悲しくなってきてしまった。

 

人との別れは唐突で余韻もなくて美しくない、だから私達は音楽や物語にせめてもの最後の瞬間のきらめきを求めるのかもしれない。

 

 

言葉にリボンをかけるということ

 

高校を卒業するにあたって、3年間をふりかえってみた。

思い出してみると色々と忙しかった。

何せ行事の多い学校だったので、常にワイワイガヤガヤしていた記憶がある。目まぐるしい早さで高校生活が終わってしまった。

その中で、今だに鮮烈に覚えている、ある友達が私に言ってくれた一言をここに書いておこうと思う。

 

 

 

 

その一言を言ってくれた友達は天真爛漫という言葉を体現したかのような子で、いつも笑顔で、明るくて、時には悩むこともあって、怒ることもあって、何にでも一生懸命な本当に素敵な子だった。

陰口を嫌い、皆に優しく、将来は幼稚園の先生になりたいと言っていた。

同じクラスになりしばらく付き合ううちにその性格に本当に裏表がないことを知り、ああ世の中にはこんなに心の綺麗な子がいるのか、と半ば呆気にとられた。人間の汚さ、醜さが全くない子だった。その子と話す時はいつだってワクワクした。太陽みたいな子だった。

  

 

 

 

ある冬の日。私はその子と選択授業が一緒で、隣の席に座っていた。

 

確かその子は私の持っていた灰色のマフラーを、似合っていると褒めてくれたのだと思う。だから私はその子の持っていたリュックと手提げとマフラーが同じ赤色だったのを見て、「△△(友達の名前)ぽいね、赤色△△に似合うよね、持ち物に統一感あって好き」などと返した記憶がある。

 その子は、ありがとうとつぶやいた後、少し黙ってから笑顔で私の腕をとって唐突にこう言った。

 

 

 

「うちね、◯◯(私)の全部が好きだよ!」

 

 

 

私は軽く頷いて、そこで会話は終わったのだが、しばらくしてから私の胸の中に暖かいものが広がった。

 

その子と私は一度は同じクラスだったものの、とても仲が良いというわけではない。もちろん私に直してほしい部分だってあるだろう。誰だって長所があれば短所がある。

でもそこまで仲が良いわけではない相手を、他愛ない会話の中で全肯定できてしまう優しさ。

 

授業に集中せずしばらくその子のその言葉を考えて、私はとある漫画の台詞を思い出した。榛野なな恵さんの漫画、『Papa told me』の中の一場面。

 

 

 

 

 

少し大袈裟に相手を褒めてしまった主人公が、そのことを友達に相談する。思いがけない感動シーンになってしまってなんだか相手に悪いことをしたようで心が痛む、と。

それに対して友達はこう答える。

 

「悪くないよ それって例えばこういうもの」

「リボン?」

「贈りものはきれいな箱に入ってかわいいリボンがついてた方が嬉しいでしょ。ことばにもちょっとリボンをかけてみましたよってこと」

 

 

 

 

 

言葉にリボンをかけるということ。

きっと私の友達は、人に話す言葉にリボンをかけることができる子なんだと思った。

 

 

自分のことがどうしようもなく嫌になった時、あのたった一言に何度も励まされている。わずか5秒にも満たない出来事に。

 

とびきり素敵なリボンがかかったその言葉は、私の心の真ん中で、いつも暗闇を明るく照らしてくれる。

 

 

 

 

世界一好きな漫画

 

わたしの中で完全にバイブルと化している漫画。

 

とりあえず、ブログかなんかを書こうと思ったときにはじめに紹介する漫画はこれと決めていた。この漫画はもう、友達に勧めるのもやめた。もし好きな友達に気に入ってもらえなかったら悲しくなってしまうかもしれないから。家で保管している初版のものと、人に貸す用、サイン入り、全部で三冊持っている。変態か。

だって、この漫画を超えてくる漫画にきっとこの先そうそう出会えない。

確かに大衆ウケはしづらそうな感じはするけれど、ある一定層には深く響く漫画だと思う。本当に大切な一冊。

 

町田洋さんの、『惑星9の休日』。

 

惑星9の休日

惑星9の休日

 

 

 

 

この漫画と出会ったのは、忘れもしない3年前の夏休み、御茶ノ水丸善でぶらぶら漫画コーナーを歩いていたら、そのどストライクの表紙とタイトルにビビっときてしまい、あらすじも確かめないまま良い漫画だと確信を持って即座にレジへ。

家に帰って、机をきれいに片付けて、椅子に座って、背筋をのばして読んだ。

想像の斜め上超えてよかった。

感動して泣きすぎて大変だった。

とりあえずこの漫画がこの世に存在していることに感謝した。なんなら日本語圏に生まれ、この漫画に出会えるほど本屋が身近な地域に住めてよかったと思った。

というかここまで自分の趣味というか好きなものをつめこんでくれる漫画家がいたのか、という感じだった。作者の町田洋、という中性的な名前から男女は判別しにくい(あえてそうしたんだと思う)。そしてわたしの勘が正しければ、結構若い方が書いたんじゃないかなあ、いや、全部勘です。

 

しかもその感動をおさえきれないまま本人のウェブサイトに記載してあったメールアドレスにファンレターを送ってしまった。ファンレターなんて後にも先にもそうそう書かないよ。やばすぎる。以来、新作が出るたびにファンレターを送っている。

ちなみにその全部のメールに対してとてもすてきなイラストをお返事として描いてくださっている。読んでくれているんだなぁ。

 

 

いったいどんな内容なのかと言いますと。

この漫画は8つの物語をあつめたオムニバス形式になっていて、どれも惑星9という常夏の惑星での穏やかな日常を描いたもの。

映画フィルムの倉庫会社で働くおじさん、夢をかなえるため故郷である惑星9を捨てた女優さん、若い頃宇宙飛行士だったおじさん、など登場人物は様々。出てくるおじさんたちがみんなかわいい。

 

作画が独特で、至極シンプルで直線的。だからこそ入道雲が生き生きとして見える。

 

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いやー、なんかアフリカとか行きたくなっちゃう。ボリビアとか。アメリカでもいい。どこか広大で何もない土地に。

白黒なのに、色鮮やかに伝わってくる何かがある。なんだろう。もう言葉が追いついてこない。ただひたすら、心の底から求めていた静かな情景がばんばん描かれてくる感じ。

ばんっと1ページまるまる使って一枚の絵のように描かれるシーンが何度かあるのだけど、そこでなんというか時が止まる。

例えばドライブしていてふいに目の前に海が見えて、「うわぁきれい……」と一瞬心がからっぽになってしまうような。主客未分状態というか。そんな感じになる。

静謐な夜の描写がとてもうまい。砂漠の夜。遠くまばらに光るネオン。街灯の灯り。

 

絵のような美しい描写で何度か泣きそうになり、むかし宇宙飛行士だったおじさんの話で泣き、そこからもちょくちょく泣き、最後の物語の、いちばん最後のページで再び大泣き。いや泣きすぎた。本来、そこまで感動ものでもないはず、けれど心がほっとする漫画。

 

 

第一話まるごと公開されています。

惑星9の休日

 

この漫画の感じが好きな人は、他のイラストレーターで言うと市川春子さん、たむらしげるさん、コマツシンヤさんあたりも好きかも。

 

 

町田洋さんはこれ以外にももう一冊、『夜とコンクリート』という単行本を出していて、あとはモーニング・ツーに読み切り『日食ステレオサウンド』を載せていたけど最近は町田洋さん、新作を出していない。

 

 

いつかふらっと漫画を出してくれたら嬉しいなぁ。何十年だって待つ。

そしてまたファンレターで、素敵な漫画を届けてくれてありがとうと言いたい。

 

 

 

すてきなKpopの曲たち

 

 

さて、好きなものを誰かと共有したい!語りたい!と思ったときに、今までわたしはツイッターやらSNSを使ってきたわけですが、あまりにも同じ趣味の人が少ないし、もうちょっと独り言みたいにテキトーに語ってもいいよね〜ってことではじめたはてなブログです(たぶん続かない)

最近はKpopにハマっているのでKpopに関する投稿が多くなるのかなーと思いますが、漫画でも本でも映画でも、好きなものはどんどん語っていきたい、なぜなら語り合える人がいなくてうずうずしているから。全部ここで語ってしまおう。

ではさっそく、すてき!!!って思っているKpopの曲紹介するよ!

一曲でも良さが伝えられたら嬉しいな。

 

 

 

 

① 좋아 (She is)   [종현 ジョンヒョン]

 

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大好きな曲。SHINeeのジョンヒョンさんのソロ曲。これでKpopにハマった。ちなみにけーぽペン歴はまだ半年。

それまでは全く韓国にも全く興味なく、本当に色んなジャンルの音楽を広く浅く聴くオールジャンルOKなタイプでした。もちろん今でもそうだけど。もともと学校の部活や習い事などで音楽に触れる機会が多かったからかな?音楽そのものが好き。

 

さて、この曲のタイトルの좋아はちょあと発音して、直訳すると『好き』という意。

歌詞のなかに、『나는 그런 게 좋아』という何度か繰り返されるフレーズがあって、これは『僕はそういうのが好き』という意味で、

(好きな女の子の)小さな目、少し濃い眉毛、すねたような唇、僕はそういうのが好き、と歌っていて、あぁ素敵な歌詞だなあと思った。

よくある恋愛系の曲だと、君は美しい、綺麗だ、という歌詞が多用されますよね。そりゃ好きになった相手は美しく見えるんだろうけど、本人にとっては美しく思えないかもしれない。というか謙遜してしまう。

けれど君の顔が好きって言われたら、それはもう言い返せないじゃないですか。

ありがとうと返すしかない。

そういう意味でも、『好き』ってとても優しくて暖かい言葉だと思う。

PVもかわいい。いかにも韓国な感じ。バックダンサーの女の子達も素敵。

 

ステージもまた良い。

 

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このときのが一番好きかなあ。

キラキラしたジョンヒョンさんのザ・アイドル感がステージ全体をアイドルステージたらしめている。華奢なバックダンサーと観客の歓声、おそらくこの日のトリだったのだろう、番組の最後に流れるテロップ。

それがなんだか、ハッピーエンドの映画のエンドロールを眺めているようで泣きそうになってしまう。爽やかな春の風みたいな曲。カラオケで必ず歌う。

 

 

 

 

② 니가 하면 로맨스(You call it romance)   [케이윌(K.will)]

 

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というわけで、こちらは先程よりさらに甘めな感じ。

サムネに映っている甘めのイケメンはMONSTA Xのヒョンウォン。さすがカエル王子、動画全体にかかっているピンクっぽいエフェクトが似合いすぎている。

 

何が好きかって、PV。

女の子を取り巻く三角関係のお話なのですが、女の子には彼氏がいて、でもその人とは別に友達として、バレンタインに大きなキャンディーをくれたヒョンウォンと遊びに行く。

けれどヒョンウォンと遊んだあと家に帰ってきてから、家がカラフルになって、冷蔵庫の中の食べ物も、お鍋で作った料理も、全部甘いチョコやキャンディーに変わってしまう。

でも最後には、女の子の見ているテレビの中でヒョンウォンと他の男性がボクシングで闘っていて、ヒョンウォンはパンチをくらって倒れてしまう。女の子の中で、きっとヒョンウォンは彼氏の存在に負けてしまった。部屋中とびはねていていたカラフルなボールたちが消える。それでお話は終わり。

曲はそれで終わりだけど、最後にエピローグ的なものが30秒ほど入る。そこで女の子はPVの冒頭でヒョンウォンもらったキャンディーを、彼が他の女の子たちにも配っているのを見てしまう。彼女らしき人にもキャンディーを渡していて、もともと二人の関係が恋愛関係になることはないだろうとわかっていた上で女の子は遊びに行くんです。つまりエピローグに、時系列的には一番最初のシーンを結末としてはさんでくる。うまい。キャンディーを渡しているところを見てしまって去ろうとする、ちょっとだけ寂しそうに笑う女の子の表情がすてき。

 

他にもいろいろ表現や仕草にこだわっているのが伝わってきて、よくできたPVだなぁと感心しているうちにいつのまに4分間フルで眺めてしまう。監督さん女の子の気持ちわかってるなぁ。

 

 

 

 

 

③Don’t Forget(잊어버리지마) [Crush(크러쉬)]

 

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Crushの曲は、本当にどれも好きなのですが、PVで特に好きなのがコレ。ちょうど冬の曲だしね。

ロケ地はたぶん札幌かな?少なくとも日本の北の方。ちょくちょく街中歩くシーンで日本語の看板が映ってる。

タイトルにもあるように、好きな人に自分のことを忘れないでと歌う曲。

時が経って、いつか二人が他人同士になっても忘れないで。

もし違う人の手を握っていても、永遠に手の届かないところにいても忘れないで。

歌詞が切ない。PVではずっとCrushが一人で雪の降る街をさまよってます。

 

少女時代のテヨンさんが途中で歌うところがあるのだけれど、そのときの映像が良い。

大体2分40秒頃から。

 

雪が降った次の日の、晴れた冬の朝、人気のない遊園地を上空から撮影している開放感あるシーン。

雪に覆われただだっぴろい道をCrushが一人で歩いていく。

曲がふっと途切れて、映し出される白い雪と、青空と、鮮やかな色の観覧車のコントラスト。冬のスッと澄んだ感じがよくでてます。冬が好きな人はきっと気に入る。

 

 

 

 

 

 

④ 사슬 (Chained up)  [빅스(VIXX)]

 

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さきほどの甘く爽やかな3作と打って変わってこちらはコンセプトドルVIXXが奴隷になった曲、Chained up。

日本語版もリリースされていて、歌詞・PV・衣装共に全てどストライク。メンバーもきちんとコンセプトに合わせて演技してる。美。

わたしはもともとえねねん(リーダー。通称N)ペンなのですが、えねねんについてはまた今度語るとして、このときのえねねんの髪型がすごい。

 

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緑色のメッシュを入れた灰色に近い黒髪。奴隷というコンセプトにこの髪色を選んだ衣装メイクさん素晴らしい。というか首が長く頭が小さく、赤銅色の肌を持つえねねんにぴっちりしたシルエットのジャケットにチョーカーに銀のバングルが似合いすぎている。天才か。美白大国韓国がここまでえねねんの南方系アジアンビューティーっぷりを理解しているとは思わなかったよ。

他のメンバーももう最高にかっこいい(特にケンちゃん)のだけどそれもまた今度。とりあえずVIXXの中で一番好きなPVはと問われたら確実にChained up。

 

日本語版の歌詞で好きなのは、ラッパーのラビが歌うラップからサビに向かうところ。

閉じ込められて逃げられない、そう愛には上下はないって思ってたんだ、馬鹿だろう、とこの歌詞を見たときにうわぁなんて妖艶な、含みのある歌詞だろう…と思いました。Chained up、歌詞のなかに書いてて恥ずかしいフレーズが多々ある。爽やかさの欠片もないのだがVIXXが上品さを押し出してるグループなので似合ってしまう。すごい。

 

 

 

 

とりあえずPV・音・歌詞ともに全力で推しているのはこの4曲。PVだけとか、曲だけとかでいうともっと好きなのいっぱいあるんだけど、もう自分の好きな曲を好きに語れて満足!なのでこの辺で!